地域診断とPDCAサイクル|シリーズ 保健師のしごと。

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シリーズ保健師のしごと。
本日は第4回目となります。
スローペースではありますが、少しずつ皆さまへ保健師の存在を理解していただけたら嬉しいと思います。

今までのバックナンバーはこちらをご覧ください。

前回は、保健師が働く自治体のなかでも、保健所と保健センターの違いについてお伝えしましたが、
今回からは、実際にどんな業務を行っているかについて、お話していきます。

保健師活動の基本的な方向性

まず、地域で働く保健師については「地域における保健師の保健活動に関する指針」が出されています。
その中で、保健師の基本的な方向性として以下の10項目が示されています。

1. 地域診断に基づくPDCAサイクルの実施
2. 個別課題から地域課題への視点及び活動の展開
3. 予防的介入の重視
4. 地区活動に立脚した活動の強化
5. 地区担当制の推進
6. 地域特性に応じた健康なまちづくりの推進
7. 部署横断的な保健師活動の連携及び協働
8. 地域のケアシステムの構築
9. 各種保健医療福祉計画の策定及び実施
10. 人材育成

こちらには、保健師が行っていることがぎゅぎゅっと凝縮されていますが、今回は、すべての業務に通じる1.についてお話していきます。

1. 地域診断に基づくPDCAサイクルの実施

地域の保健師は、高齢者、母子、児童、感染症、精神障害…など様々な切り口から活動を行っていますが、そのすべては地域診断に基づくPDCAサイクルに沿って実施しています。

地域診断とは

まず、「地域診断」(「地域アセスメント」ともいいます)についてご説明します。
第1回で、保健師は「予防」に関わる仕事をしているとお話しましたが、決まりきった仕事をしているわけでも、やみくもに仕事をしているわけでもありません。
地域での観察や保健衛生統計などのデータを通して、地域の問題、特徴を把握することを地域診断といいます。
統計的なデータだけでなく実際に保健師が見た、聞いた、感じたことも重要となってきます。

高齢者、その中なかでも認知症と認定されている方が多く、高齢者も認知症を心配しながら生活しているという地域もあれば、働きながら子育てしている世帯が多く、子育て負担が大きく相談できる人もいない女性が多い地域もある…など、地域によって問題や特徴はさまざまです。
地域診断により地域の問題や特徴を明らかにすることで、それに対する効果的な活動ができるのです。

PDCAサイクルとは

PDCAサイクルについては、ご存知の方も多いかもしれません。
PDCAは、Plan-Do-Check-Actionの略で

Plan 計画を立て、
Do それに基づき実施し、
Check 実施した結果、どうであったか?を評価し、
Action 改善すべき点・課題をみつけ、

再計画をする(Planへ戻る)というサイクルのことです。
このサイクルを繰り返すことにより、同じ業務の繰り返しではなく、継続的に業務を改善することができ、より効果的な取り組みにつながっていきます。

このように、保健師活動は、常に地域診断とPDCAサイクルに基づいて活動しています。

地域診断のながれ

参考:医療情報科学研究所編『公衆衛生がみえる』(メディックメディア)

R-PDCAサイクル

上記のように、保健師活動指針ではPDCAサイクルについて触れられていますが、近年ではR-PDCAサイクル という考え方があります。
Rは、Reserchの略で、まずは調査や情報収集があってから、PDCAがはじまるという考え方です。
上記の図でいうと、「1. 情報取集」と「2. 地域診断」がReserch部分としてサイクルに加わっていることで、R-PDCAサイクルに基づいていると言えるでしょう。

保健師活動指針活用ガイド

日本看護協会では、「地域における保健師の保健活動に関する指針」に解説を加えた「保健師活動指針活用ガイド」を発行しています。
地域診断に基づくPDCAサイクルの事例も多く、とてもわかりやすいので、興味のある方はぜひご覧ください。


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