市町村保健師のお仕事-母子保健-|シリーズ 保健師のしごと。

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【シリーズ保健師のしごと。】第6回目の今回は、市町村保健師のお仕事についてお話したいと思います。

シリーズのこれまでのお話をふまえた上で、
実際に市区町村(保健センターや役所)で働いている保健師が、どのような仕事をしているかについてお伝えしていきたいと思います。
バックナンバーはこちらをご覧ください。

3つの分野

市区町村で働く保健師の仕事には、大きく分けて3つの分野があります。
それは、母子保健と高齢者保健、成人保健です。

本日は、その中の母子保健分野について、具体的にどのようなことをおこなっているのかをお伝えしたいと思います。

母子保健分野

母子保健とは、お母さんと子どもの健康の保持・増進をはかる分野のことです。
第2回の投稿で、様々な活動領域があるとお話しましたが、母子保健は対象が「お母さんと子ども」であるということになります。
母子保健については、母子保健法という法律があり、施策は市町村が主体となって行うこととされています。
母子保健法で市町村が行うべきとされていることには以下のものがあります。

◎知識の普及
◎新生児の訪問指導
◎健康診査(幼児)
◎健康診査(妊産婦、乳幼児)
◎母子健康手帳の交付
◎妊産婦の訪問指導
◎低出生体重児の届出
◎未熟児の訪問指導
◎未熟児養育医療
◎母子保健センター

また、母子保健法以外にも時代の変化に対応するため、国から「こんな事業をやりなさい」などとお達しがあることもあります。

「市区町村が行うべきこと」は決まっていますが、
その市区町村の中で誰が行うかという役割分担は決まっておらず、市区町村により異なります。

今回は、多くの市町村で保健師が役割を担うことが多い役割について、ご説明していきたいと思います。

保健師が行うこと

◎知識の普及

 母親学級や、両親学級を実施し、これから出産を迎えるお母さん・お父さんに子育ての様子を知ってもらいます。
 また、出産後も、健康診査の実施時などに、それぞれの月齢に応じて子育てや健康に関するアドバイスを行います。

◎母子健康手帳の交付

 母子手帳を交付する際に、保健師面談を行う自治体が多いようです。
 妊婦の年齢や既往歴などから、不安の強い妊婦やリスクのある妊婦を母子手帳交付時に把握することで、出産前から訪問するなど早めの支援につなげることができます。

◎妊産婦・新生児・未熟児の訪問指導

 母子保健法では、妊産婦健診で気になる結果であった妊産婦さん、保健指導の結果育児上必要がある新生児、養育上必要がある未熟児に対して訪問指導を行うこととなっています。

 また、母子保健法とは別に、乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)というものがあります。
 これは市町村が生後4か月までの乳児のいるすべての過程を訪問する事業です。
 赤ちゃんが生まれると、まずは4か月になるまでに一度訪問し、お母さんと赤ちゃんの健康状態を確認した上で、発育・授乳・病気の予防など子育てや健康に関する情報をお伝えしたり、家庭での虐待のリスクを確認したりします。お母さんの育児状況や赤ちゃんの健康状態などによっては訪問を継続して行います。
 (市町村によっては、保健師ではなく助産師が訪問する場合もあり、役割分担は様々です。)

◎乳幼児、妊産婦の健康診査

 妊産婦健診は産科で、乳幼児健診は小児科や保健センターで実施します。
 産科や小児科で受診した場合は、必要に応じて市町村に情報提供をしていただき、支援を行います。
 健康診査を受けていない場合には、母子の健康状態を把握することができないだけでなく、ネグレクトなどの虐待の可能性もあるため、まずは電話や訪問などで話を聞き、直接身体の状態や発育を確認するなどしています。
 乳幼児健診では、相談できる場としてだけでなく、ママ友の交流の場としての役割もあります。

いかがでしたでしょうか。
母子保健のポイントは子どもが健康に育つことであり、そのためにはお母さんを中心として家族が機能しているかが大切になっていきます。
まずは、「保健師がそばにいるんだ」と身近な存在として感じてもらうことや、相談しやすい環境や機会をつくることでサポートしていきます。
そして、その関わり全体をとおして、育児に悩んでいないか、虐待のリスクがないかを早めに把握していくことも重要となってきます。

ポピュレーションアプローチを行う中でも、ハイリスクアプローチの視点を忘れずに両方の視点から支援していくこととなります。


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