「1日分の野菜をとることができる」と謳った野菜ジュースは野菜の代わりになる?

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『1日分の野菜をとることができる』と謳った野菜ジュースは野菜の代わりになる?

Q. 野菜不足を補うため、野菜ジュースをよく飲んでいます。「1日分の野菜をとることができる」と謳った商品もありますが、これだけで1日分の野菜を食べたことになるでしょうか。

A. 1日分の野菜を食べた場合と全く同じ栄養を取ることは難しいですが、選び方次第で野菜不足を補うことはできます。

忙しくて食事を簡単に済ませてしまうとき、野菜は不足しがちになることが多いでしょう。また、野菜をしっかり食べているつもりでも、日本人が1日に必要とされている野菜量(350g)には足りていない人が多いのが現状です。
野菜の摂取量は若いほど少なく、350g以上野菜をとることができている人は20代で17.3%、50代25.9%と、働く世代は4人に1人以下となっています。(令和元年国民健康・栄養調査より) 野菜不足を補うために、野菜ジュースを手に取る方も多いのではないでしょうか。
「1日分の野菜がとれる」と謳った商品もありますが、野菜350g分の栄養を100%きっちりとることができるかと問われると、そうではないことがほとんどです。

◆野菜ジュースへの加工で失われる栄養素は?

野菜をしっかりとるべき理由として、野菜には食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富に含まれていることがあげられます。
食物繊維は腸内環境を整え、便秘の予防をしてくれる働きがあり、ビタミンやミネラルは身体の調子を整えるほか、食べた物をエネルギーに変えるとき、つまり代謝の際に必要になる栄養素です。
野菜ジュースでこれらを生の野菜と同じくらいしっかりとることができれば、野菜ジュースは野菜の代わりになると言えます。
商品にもよりますが、多くの野菜ジュースでは、口当たりを良くするために生成過程において野菜の絞りかす(繊維)が取り除かれています。
食物繊維には水に溶ける食物繊維(水溶性食物繊維)と、水に溶けない食物繊維(不溶性食物繊維)がありますが、この過程で不溶性食物繊維は取り除かれてしまいます。
また、市販の野菜ジュースは加熱殺菌処理が加わります。
ビタミンCなど、熱に弱いビタミンは加熱によりその量はかなり減ってしまいます。
一方、熱に強いビタミンAやビタミンE、カリウムや鉄などは、加工されても影響をほとんど受けることはありません。
メーカーや商品によっては、加工によって失われる栄養素を補う目的で、加熱後に食品添加物としてビタミンCや食物繊維を加えていることもあるようです。

◆野菜ジュースの選び方のポイントは?

発売元のメーカーでも、「野菜ジュースは野菜摂取の補助」と位置付けている場合もあります。
野菜ジュースさえ飲めば、野菜は食べなくてもOKということではありません。
しかし、前述の通り、日本人の野菜摂取量は目標量に足りていないのが現状。忙しいときや、食事で食べきれない分を補う目的で野菜ジュースを選ぶときは、どんな点に気を付ければいいのでしょうか。

①量に注意する

コップ1杯・紙パック1本あたりのカロリーは商品によってさまざまですが、飲みやすくするために糖類や食塩を添加しているものもあります。
サラダや野菜の小鉢の代わりの感覚で野菜ジュースを飲んでいると、カロリーや塩分のとりすぎにつながります。

②成分に注意する

野菜ジュースには、甘さを加えるために果物の果汁と野菜をブレンドしていることも多く、飲みやすい一方でカロリーも高くなりがちです。
野菜不足を補う目的で野菜ジュースを飲むのであれば、原料が野菜100%のものや果汁の割合が低いものを選ぶといいでしょう。
また、商品を選ぶときにチェックしたいのは糖質量です。
商品にもよりますが、一般的な野菜ジュースの糖質量は200mlあたり15g前後。
食べ物で言うと、ロールパン1個分と同じくらいです。
これを1日2杯飲むと、普段の食事に追加してロールパン2個を食べているのと同じ量の糖質をとっていることになります。
糖質は極端な制限も良くありませんが、糖質過多はカロリーのとりすぎの元です。
食事できちんと糖質を取っている場合は、できるだけ糖質量の少ない商品がおすすめです。
パッケージの栄養成分表示に糖質量として記載されていない場合は、炭水化物量を参考にすると良いでしょう。(炭水化物=糖質+食物繊維)

③食物繊維やビタミンCは別に補う

野菜ジュースの加工後に栄養素を添加している商品以外の野菜ジュースでは、食物繊維やビタミンCは野菜ジュースでは十分にとることができない場合が多いです。食物繊維やビタミンCは、食事で補うようにしましょう。
生の野菜以外だと、不溶性食物繊維はきのこ・ナッツ類・大豆・麦ごはんなどに多く、ビタミンCは果物や煎茶などに多く含まれています。

コンビニでは、もち麦のおにぎりやナッツ、果物や緑茶を選ぶと手軽ですね。

◆野菜ジュースは上手に活用しましょう

野菜の成分の中には、加熱や加工の過程で失われる栄養素もある一方で、加熱した方が吸収率がアップする栄養素もあります。
トマトに多く含まれるリコピンや、にんじんに多く含まれるビタミンAの一種であるβ-カロテンはその一種です。
野菜不足を補うために野菜ジュースを飲む場合は、飲み過ぎに注意し、野菜ジュースの種類や他に食べるものを上手に選びましょう。


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管理栄養士 本多

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