深夜勤中に眠くならないための仮眠術

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深夜勤中に眠くならないための仮眠術

Q.夜勤中、集中しなければならないのに眠くなってしまいます。眠くならない方法はありますか?
なにか改善する方法はありませんか?

A.仮眠を効果的に利用しましょう。午後2時から4時の間に90~120分を目安に取りましょう。

人間の身体は、日中に活動し夜に休む生活を営むようにできています。

太陽が上るともに目が覚めて、暗くなった夜に睡眠をとる生活リズムとなっていますが、現代社会では、夜間勤務や日中に働くデスクワーカーでも徹夜で仕事を仕上げなければならないということもあるでしょう。
本来眠っているはずの夜に起き続けて働くので、その疲れは相当なものです。

また、日勤のみの勤務であれば、夜間に十分眠り、その日に生じた疲労を解消させることもできますが、夜間の勤務は生活リズムそのものも崩れてしまうため、さらに身体に負担がかかります。
夜中に起きていなければならない中で、生じる眠気や疲労を少しでも和らげる「仮眠」についてお伝えしています。

◆深夜帯の眠気のピークは深夜2~4時

私たち人間の身体は眠気が「2回」くるようになっています。

・1回目は、昼の午後2時から4時
・2回目は、深夜の午前2時から4時

特に2回目の深夜午前2時から4時の時間帯の眠気はピークを迎えます。

そしてちょうどその時間帯は、体温も最も低くなり、人間の生体リズムにおいても、一番眠気が強くなる時間帯です。

実は、アメリカ・スリーマイル島の原発事故や旧ソ連・チェルノブイリの原発事故などの重大事故は、いずれも深夜の時間帯に起きています。
また、医療スタッフを対象とした針刺し事故のアンケートからも、午前4時から7時の深夜勤務帯に針刺し事故が起きやすい結果もあります。

生体リズムによって刻まれたこの眠気は、一日のうちに必ずやってくる、避けようのない眠気となります。
この眠気を少しでもコントロールして、夜勤や徹夜作業をスムーズに行えるようにする必要があります。

◆生体リズムにおける「眠気」を利用する

人間は生活リズムが、大幅に狂うことで身体的な負担となります。

そこで、夜勤や徹夜作業中の眠気をコントロールする鍵は「午後2時から4時の眠気」です。

この眠気が生じやすい時間帯をうまく活用し仮眠をとることで、夜勤や徹夜作業で注意力のレベルが落ちるのを最大限に予防することができます。

それでは、どのくらいの時間仮眠をとればよいのか。

それは、人間の眠りのリズム1サイクル分(ノンレム睡眠からレム睡眠までの睡眠リズム)、90~120分を目安としてください。

この時間の睡眠は、仮眠から目覚める時間帯が浅い眠りである「レム睡眠」にあたるため、目覚めた時にボーっとしたりする寝ぼけた状態を避ける効果も期待されます。

◆仮眠からの復活は「腱を伸ばす運動」

仮眠をとったあとに、スッキリと目を覚ます方法としては、「腱を伸ばす運動」をしてみてください。
ここで注意が必要なのは、身体を動かすといっても、ストレッチは逆効果です。
筋肉を伸ばすストレッチは、副交感神経を優位とするので、逆にリラックスして眠気を促進してしまいます。
腱を伸ばす運動をいくつかご紹介いたします。

・足首の運動

デスクワークをしていると、足の血行が悪くなり、それが眠気をもたらすため、足首のストレッチは効果的です。

  1.  かかとを床にしっかりつける
  2.  床を固定して、つま先を引き上げる
  3.  3秒経ったら緩める
  4.  この運動を両足5セット繰り返す

・肩の運動

人間は眠っていると筋肉が縮こまり血流が悪くなります。
腱を意識し、身体をほぐして交感神経を優位にすることで、脳も働きやすくなります。
肩の運動は仮眠後だけでなく、夜勤中に眠気が強くなったときにも有効なので、ぜひやってみてください。

  1.  息を吸い込みながらゆっくりと肩を上に引き上げる
  2.  肩を下げながら息を吐き、身体を楽にする
  3.  この筋肉を伸ばし、ゆるめる運動を5セット繰り返す

交代勤務や夜間勤務をしながら、勤務中の安全や長期的な健康を確保するためには、できるだけ心身に負担の少ない働き方を考える必要があります。
その最も効果的な方法が「適切な仮眠」をとることです。
仮眠は、大きな疲労軽減効果をもっており、夜勤前後の生活時間を豊かにします。
ぜひ一度、皆さんそれぞれに合った仮眠を探し、試してみてください。

<参考>

宮崎総一郎(2010)「脳に効く睡眠学」角川マガジンズ

宮崎総一郎・森国功(2012)「どうしてもがんばらなくてならない人の徹夜完全マニュアル」中経出版

折山早苗ら(2006)「三交代制勤務従事看護師の深夜勤務前・中にとる仮眠の効果 -勤務中の覚醒水準・作業効率の変化」