食べ方で差が出る?タンパク質を効率よくとる方法
Q. 健康な体作りのために「タンパク質」をとろうとしています。タンパク質を効率よくとる方法はありますか?
A. タンパク質を効率よくとるには、タンパク質の「質」と「とり方」が大切です。質のいいタンパク質をとるには、肉や魚などの動物由来のタンパク質をとるか、複数の植物由来のタンパク質をとることを意識しましょう。また、3食均等に摂取するといいでしょう。
まずは、タンパク質をとる理由や、体の中でどのように分解・吸収されているのかを振り返っていきましょう。
タンパク質は皮膚や骨、筋肉、臓器など体の機能を調整するホルモンや酵素など私たちの体のさまざまな部分をつくる材料です。
食品に含まれるタンパク質は、アミノ酸が多くつながって構成されており、体内に取り込まれるとほとんどが1個のアミノ酸にまで分解されたあと、体中の各組織に送られて必要なタンパク質へと再形成されます。
体をつくるアミノ酸は20種類です。
そのうちの9種類は体内で合成できないので、食事からとる必要があります。
体内で合成できないものを「必須アミノ酸」、体内で合成できるものを「非必須アミノ酸」と呼びます。
◆質の良いタンパク質とは?タンパク質のとり方をチェック!
タンパク質の種類(肉や魚、卵、豆類など)によって、含まれているアミノ酸は違っており、9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれる食べ物を質の良いタンパク質といえます。
バランスの偏った必須アミノ酸をとると、9種類の中で一番少ないアミノ酸に合わせて体内で摂取され、多くとったものは体内に摂取されません。
アミノ酸がバランスよく含まれているかどうか知る方法として「アミノ酸スコア」があります。
アミノ酸スコアの数値は0~100まであり、スコアが100、もしくはそれに近い数値であるほど質の良いタンパク質といえます。
一般的に、動物由来のタンパク質(肉類、魚介類、卵、乳製品など)のほうが植物由来のタンパク質(米、小麦、大豆など)に比べてアミノ酸スコアが高い傾向にあります。
また、アミノ酸スコアが100に満たない食品も、複数の食品と一緒に取ることでアミノ酸スコアが向上します。
つまり、質の良いタンパク質をとるためには、以下を心がけることが重要です。
- ・動物由来のタンパク質をとる
- ・植物由来のタンパク質をとるときは、複数のタンパク質(動物由来、もしくは植物由来のもの)を組み合わせる
例:ごはん+漬物⇒ごはん(必須アミノ酸のリジンが少ない)+納豆(必須アミノ酸のリジンが多い)
ただし、動物性タンパク質のみに偏ってしまうと、脂質やコレステロール、カロリーを多くとってしまう可能性があるため、とり過ぎには注意しましょう。
◆タンパク質と一緒にとりたい栄養素は2つ
タンパク質と一緒にとりたい栄養素は多くありますが、特にビタミンB6と糖質を一緒に摂取できるといいでしょう。
- ● ビタミンB6。
タンパク質の代謝に欠かせない成分です。
鶏肉、レバー、さけ、いわし、まぐろ、大豆、玄米、バナナなどに多く含まれています。 - ● 糖質(炭水化物)
糖質のとる量が足りないと、タンパク質が分解されてエネルギー源となるため、せっかく摂取したタンパク質を無駄にしないために糖質もあわせて十分にとるようにしましょう。
糖質はごはん、パン、麺類などに多く含まれています。
◆タンパク質は3食で均等にとる
タンパク質は1度にまとめてとるのではなく、毎日数回に分けてとるようにしましょう。
1回の食事から多くとったとしても、すべてが栄養になるわけではなく、余分なタンパク質が脂肪として蓄積されることもあるからです。
理想は3食の食事から均等にとることです。
Mamerowらの研究では、1日に同じタンパク質量を摂取した際、夕食に偏ってタンパク質をとるよりも、3食均等にタンパク質をとったほうが筋タンパク質の合成をより高めることができると報告しています。
せっかくとったタンパク質を健康的な体作りのために活かせるよう、食べるタイミングと量も意識するようにしましょう
<参照>
Mamerow MM, et al. J Nutr. 2014;144(6): 876–880)

管理栄養士 片桐

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