自作の時差ボケ状態「ソーシャルジェットラグ」を防ぐたった2つの方法

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自作の時差ボケ状態「ソーシャルジェットラグ」を防ぐたった2つの方法

Q. いつも月曜日の朝が辛いです。休日の朝も、平日と同じ時間に起きたほうがいいと聞いたことがありますが、どうしても朝起きられません。

A. 平日の睡眠不足が影響し、休日の朝寝坊してしまい、月曜日に起きるのが難しくなってしまうことを、欧米では「ソーシャルジェットラグ」と呼びます。ソーシャルジェットラグは仕事や体調に影響を与えるといわれています。

◆ソーシャルジェットラグとは?

平日と休日の起床時刻と就寝時刻の差によって引き起こされる、時差ボケのような症状をソーシャルジェットラグといいます。
ソーシャルジェットラグを直訳すると、「社会的時差ボケ」です。飛行機に乗って海外旅行をすると、眠気、不眠、倦怠感等の時差ボケの症状を感じる人がいますよね。
ソーシャルジェットラグはこういった症状を自分で作り出している状態です。
このソーシャルジェットラグに大きく関係してくるのが私たちの生体リズムです。

◆生体リズムとは?

生体リズム(サーカディアンリズム)とは、私たちの体内時計とも言えるもので、目覚めや日中の活動、睡眠などをつかさどっています。
しかし、生体リズムでの1日の長さは、個人差はあるものの、多くの方は24時間よりも少し長いのです。
そのため、実際の1日と生体リズムの間でずれが生じてしまい、24時間周期に身体がついていけない現象が起こります。
このずれを調節してくれるもの、それが太陽の光です。
私たちは朝に太陽の光を浴びると、生体リズムがリセットされ、規則正しい生活をおくることができます。
つまり、休日だからといって遅く起きてしまうと、太陽の光を浴びるタイミングも遅れ、体内時計が後ろにずれこんでしまうのです。
たとえば、平日は朝7時に起きている方が、休日の朝10時に起きた場合、生体リズムに3時間のずれが生じます。
このずれによって、日曜の夜眠りたい時間になっても眠れず、月曜の朝起きるのに苦労するのです。

◆ソーシャルジェットラグにはどんな影響がある?

オーストラリアの大学教授による研究で、以下の集団ごとに月曜日以降の倦怠感、眠気を比較した研究があります。(※1)

A群:休日朝寝坊をした
B群:休日も同時刻に起床した

この研究で、A群は週の後半までソーシャルジェットラグの影響が続き、B群とくらべて、倦怠感、眠気共に高かったという結果が出ています。
ずれた生体リズムを元に戻すには1日に1時間が限界といわれています。
平日に少しずつ体内時計を元に戻し、週末にまた大きく生体リズムを崩す生活を繰り返している人も多いのではないでしょうか。
倦怠感や眠気は仕事の効率にも大きく影響するため、ソーシャルジェットラグを起こさないような工夫が重要です。

◆ソーシャルジェットラグを防ぐには

では、ソーシャルジェットラグを防ぐためには、具体的にどんな工夫が必要なのでしょうか。

① 平日の睡眠時間を確保する

まず、1日の中で自分が何にどれだけ時間を使っているかを書き出してみましょう。
「思っていたよりSNSやゲームに時間を費やしてしまっている!」という方も多いはずです。
そんな方は、スマホの使用時間制限を設定してみるのがおすすめです。
寝る前のスマホをやめて、睡眠時間を確保しましょう。
適正な睡眠時間は人によって違いますが、勤労世代には最低6時間の睡眠が必要です。
睡眠時間が6時間を切ると、さまざまな健康リスクが上昇する可能性が、統計で示されています。(※2)

② 15時までの昼寝で補う

足りない睡眠を昼寝で補うのもおすすめです。
平日なら15~20分程度の昼寝が理想的です。
これ以上寝てしまうと、眠りが深くなって起きづらくなると言われています。
昼寝の際のコツとして、眠る直前にコーヒーなどのカフェインを摂る方法があります。
起きる15~20分後にカフェインが効いてくるためスムーズな覚醒を促します。
「昼寝(ナップ)」と「カプチーノ」の造語でナプチーノという言葉もあるそうです。
休日の朝は、できるだけ平日と同じ時刻に起きて太陽の光を浴び、もし眠くて辛い場合、昼寝で睡眠不足を補いましょう。
その際に、昼寝は最大2時間程度。15時を超える昼寝は夜の睡眠に影響を及ぼしてしまう点に注意しましょう。

<参考>
※1 Amanda Taylor、Helen R. WRIGHT、Helen R. WRIGHT、Leon Lack「Sleeping-in on the weekend delays circadian phase and increases sleepiness the following week」(「Sleep and Biological Rhythms」2008年6号172~179頁)
※2 Akiko Tamakoshi、Yoshiyuki Ohno「self-reported sleep duration as a predictor of all-cause mortality: results from the JACC study, Japan」(「SLEEP」2004年1号51~54頁)


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保健師 南

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