果物ってどれくらい食べればいいの?適正量や果物を取り入れることのメリットを管理栄養士が解説!

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果物ってどれくらい食べればいいの?適正量や果物を取り入れることのメリットを管理栄養士が解説!

Q. 果物は体に良いと聞いたのですが、糖質が気になります。1日に食べていい量はどれくらいなのでしょうか?

A. 果物の摂取量の目安は1日に200gです。適正量とタイミングを知り、上手に食生活に取り入れていきましょう。

健康のために果物を食生活に取り入れようと考える方のなかには「1日にどれくらい食べていいの?」「ただ食べるだけでいいの?」といった疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
栄養豊富な果物は、便秘や生活習慣病の予防などさまざまな健康効果が期待できます。
一方で、食べすぎると脂肪が蓄積してしまう危険性があり、注意が必要です。
今回は、果物の適切な摂取量と健康効果を得るために注意すべき点をご紹介します。

果物の目標摂取量と旬

平成30年実施「国民健康・栄養調査」によると20歳以上における果物(ジャムを除く)の平均摂取量は99.6gです。
一方、厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」では果物の目標摂取量は200gと示されており、実際の摂取量との間に大きな隔たりがあるとわかります。
摂取量が少ない原因として挙げられるのが「価格が高い」「食べるのが面倒くさい」といったマイナスイメージの存在です。
確かに、毎日200gの果物を食べるのは、お金がかかるし、大変そうですよね。
しかし、具体的な摂取量の目安と旬を意識することで、コストを抑えて、必要な分だけ果物を食事に取り入れることができます。

200g分の果物の目安量と価格が落ち着く「旬」の時期

200g分の果物の目安量と、価格が比較的落ち着く「旬」の時期を以下にまとめました。

果物名 目安数量
イチゴ 3~4個
デコポン 1個
ナシ 1個
モモ 1個
ブドウ(デラウェア) 1房
ブドウ(巨峰) 10~12粒
カキ 2個
リンゴ 1個
ミカン 2個
グレープフルーツ 1個 通年
キウイ 2個 通年
バナナ 2本 通年

果物の健康効果

果物ごとに含まれる栄養素や効果はそれぞれ異なりますが、ここでは多くの果物に共通する効果をご紹介します。

便秘改善効果

果物の多くには「ペクチン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
ペクチンは水を大量に吸ってゲル状になり、便に水分をあたえる役割を果たします。
また、ペクチンなどの食物繊維は善玉菌である乳酸菌のエサとなります。乳酸菌は、悪玉菌の増殖を抑止して腸内環境を整え、大腸に刺激を与えて腸の運動を活性化させる働きがあります。

骨密度を増やす効果

ミカンに含まれる「β‐クリプトキサンチン」というカロテノイドや、多くの果物に含まれている「ビタミンC」が骨代謝に良い影響を与え、骨粗鬆症の予防に効果的であることがわかっています。
また、果物に含まれるクエン酸にはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。

血圧を下げる効果

果物に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムの排出を促し、血圧を下げる働きがあります。

抗酸化作用

私たちの体内では、運動したり食べたものをエネルギーに変えたりする際に、体内に存在する酸素から活性酸素という物質が作られています。
活性酸素が引き起こす細胞の損傷は、がんや心血管性疾患、アルツハイマー病などの一因となることがわかっています。
抗酸化作用とは活性酸素を取り除く働きのことで、がんや老化、生活習慣病を予防する効果が期待できます。

上手な取り入れ方

食べる時間に注意

果物には「果糖」という糖質が豊富に含まれています。
夕食後に果物を食べている方も多いかもしれませんが、その後のカロリー消費が少ない夜遅い時間に食べると、脂肪として蓄積されやすくなってしまいます。
夜よりも朝食または昼食時にとるようにしましょう。
「柑橘類を朝に食べると、含有成分であるソラレンの影響でシミができやすくなる」という説がありますが、研究結果によると、「ソラレン」が含まれるのは柑橘類の皮で、普段食べる量では特にシミや日焼けなどへの影響はないそうです。

ジュースやカットフルーツを活用する

先述の通り、むくのが面倒だったり、傷むのが早かったりと生の果物を取り入れるのはハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな方は、フルーツジュースやカットフルーツ、冷凍フルーツを活用してみてはいかがでしょうか。
それぞれのメリットとデメリット、おすすめの取り入れ方をご紹介します。

フルーツジュース

メリット:加熱に強いカリウムなどが豊富に含まれる
おすすめの取り入れ方:炭酸飲料などの代わりに100%フルーツジュースを選ぶ
※1日の摂取目安量は紙パック1本分(200ml)です。

カットフルーツ

メリット:剥く手間を省きつつ、生の果物をとり入れられる
おすすめの取り入れ方:コンビニで昼食や夕食を買う際にプラスする

冷凍フルーツ

メリット:お酒やヨーグルトのトッピングなどアレンジがしやすい
おすすめの取り入れ方:アイスの代わりに食べる、少しずつ食べられるので冷凍庫にストックしておく

缶詰の果物

メリット:味が安定している、長期保存ができる
おすすめの取り入れ方:甘いものが食べたくなった時にスイーツの代わりに食べる
※生の果物と比べシロップなどによりカロリーが高くなっているため、1日100gを目安にし、食べすぎには注意しましょう

一方、すべてに共通するデメリットとして、加工の段階で損失してしまう栄養素も一部ある点が挙げられます。
たとえばフルーツジュースであればビタミンCや食物繊維が、缶詰の果物ではビタミンCやβ‐カロテン、カリウムなどが減少してしまいます。
ただ、生の果物には劣るものの保持される栄養素もありますので、普段生の果物を食べる習慣のない方はまずは加工品を上手に活用してみてはいかがでしょうか。

疾患のある方や服薬されている方は注意

糖尿病で炭水化物の制限がある方、腎臓病でカリウム制限のある方は摂取量について個別に判断する必要があるので主治医とご相談ください。
また、血圧降下薬の1つである「カルシウム拮抗薬」を飲んでいる方がグレープフルーツを摂取すると、薬の効果が強まり低血圧を引き起こしてしまいます。
血糖降下薬を服薬している方はグレープフルーツを食べることに問題がないか、主治医や薬剤師に相談するようにしてください。

これから旬の果物といえばスイカやメロン、さくらんぼなどです。
カットフルーツや冷凍フルーツなども活用しつつ、ぜひ普段の食生活にとり入れてみてください。

<参考>
・ 厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査報告」
・ 農林水産省「食事バランスガイド」
・ 駒沢女子大学「「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします」
・ 小島彩子、 尾関彩、中西朋子、佐藤陽子、千葉剛、阿部皓一、梅垣敬三「食品中ビタミンの調理損耗に関するレビュー(その2)」(日本ビタミン学会「ビタミン」2018年91巻2号87~112頁)


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管理栄養士 小林

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