熱中症予防には暑さに慣れる必要があるって本当?

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熱中症予防には暑さに慣れる必要があるって本当?

Q. 久しぶりに外で運動をしたら、軽い熱中症になってしまいました。
水分や塩分補給などの熱中症対策はおこなっていたのに、なぜでしょうか?

A. 熱中症の原因はさまざまです。
久しぶりに外で運動をしたため、身体が暑さに慣れておらず、普段よりも熱中症になりやすい状態だった可能性があります。

そもそも熱中症って何?

熱中症とは、以下の理由などにより発症する身体の不調や障害の総称です。

① 体内の水分及び塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れる
② 体温を調節する機能が破綻する

①や②の状態になる原因はさまざまです。
一般的には、高温や多湿といった「環境」や長時間にわたる屋外作業などの「行動」、脱水状態をはじめとした「身体の状態」が原因としてあげられます。
ただし、これらの原因の他に、身体が暑さになれていない(暑熱順化ができていない)ことも原因のひとつとして考えられます。

身体を暑さに慣らす必要があるのはなぜ?

前述のとおり、身体が暑さに慣れていないと、普段よりも熱中症になる危険性が高まります。
身体を暑さに慣らすことを「暑熱順化」と言うのですが、実際に暑熱順化できているかどうか、身体に変化があらわれます。

① 暑熱順化できているとき(身体が暑さに慣れているとき)
・ 皮膚に血液を集めて皮膚温を上昇させ、皮膚表面から熱を放散させる
・ 汗に含まれる塩分が少なく、ナトリウムを失いにくい
・ 体温が上昇しにくい

暑熱順化ができているとこうした変化が起こり、熱中症になりにくい状態と言えます。

② 暑熱順化できていないとき(身体が暑さに慣れていないとき)
・ 皮膚の血液量が増えにくく、皮膚表面から熱が放散しにくい
・ 汗に含まれている塩分が多く、ナトリウムを失いやすい
・ 体温が上昇しやすい

逆に、暑熱順化できていないとこうした変化が起こり、熱中症になりやすい状態といえます。

上記のように、暑熱順化できていると、同じ条件下でも熱中症になりにくいです。つまり、一般的な熱中症予防に加えて、暑くなる前から身体を暑さに慣らし、熱中症を予防していくのが大切です。

暑熱順化する方法って?

日常生活で暑熱順化するための行動についてお伝えします。

① 屋外での実施
(1) ウォーキングやジョギング
ウォーキングであれば1回30分、ジョギングであれば1回15分ほどおこなうのがおすすめです。仕事の帰り道に1駅分歩くのも効果的ですね。
できれば週に5日は実施しましょう。

(2) サイクリング
1回30分のサイクリングを週3回実施するのが効果的です。

② 屋内での実施
(1) 適度な運動
筋トレやストレッチなどの適度に汗をかく運動を1回30分、週に5回以上行うのが望ましいです。適度に汗をかく運動であれば、種類は問いません。

(2) 入浴(湯舟につかる)
2日に1回は、シャワーだけでなく湯舟につかりましょう。
ただし、のぼせ予防のためにも入浴前後に十分な水分と適度な塩分の摂取が大切です。
湯舟につかるのが苦手という方は、ぬるめのお湯(38~40℃)での半身浴も効果があります。

暑熱順化における注意点

暑熱順化の注意点として、「暑熱順化できるまでに数日から2週間かかる」という点があげられます。
すぐに暑熱順化できるわけではないので、暑い季節が来る前から対策をとりましょう。
また、暑熱順化の対策を数日怠ると、身体が元に戻ってしまう場合もあります。
たとえば、お盆などで数日お休みをとった後などは、身体が暑熱順化する前に戻り始めており、以前より熱中症になる可能性が高まります。
定期的な暑熱順化の対策や休み明けのより慎重な熱中症対策が重要です。

日頃から、熱中症対策だけでなく、身体を暑さに慣らして、さらなる熱中症予防に努めましょう!

<参考>
一般財団法人日本気象協会「熱中症ゼロへ」


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保健師 藤居

保健師 藤居

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