女性にとって身近な病気「子宮筋腫」、良性の腫瘍なの?本当に悪くならない?子宮筋腫についておさらいしましょう

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女性にとって身近な病気「子宮筋腫」、良性の腫瘍なの?本当に悪くならない?子宮筋腫についておさらいしましょう

Q:子宮筋腫は悪性でないと聞きました。もし子宮筋腫ができてもほうっておいていいのでしょうか?

A:子宮筋腫は日常生活に支障がなければ特別な治療をしない場合も多いです。しかし何もせずほうっておくのではなく、定期的に検査を受けて筋腫の状態をチェックすることをおすすめします。

成人女性の3人から4人に1人は子宮筋腫を持っていると言われています。
女性にとって身近な病気の子宮筋腫ですが、どんな病気か具体的に知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は子宮筋腫についてまとめました。

子宮筋腫とは

子宮筋腫は子宮の筋肉にできる腫瘍です。
悪性の腫瘍ではありませんので、命に関わる問題にはなりません。
また、初期の子宮筋腫は自覚症状が少ないです。

進行すると、月経痛、過多月経、過多月経に伴う貧血症状などがあらわれます。
筆者が以前勤務していた職場でも、健康診断で貧血を指摘された女性社員が後日子宮筋腫だった、という例がありました。
子宮筋腫は発生する場所によって、大きく3つに分けられます。
子宮筋腫の70%の割合をしめるのが「筋層内筋腫(子宮の筋肉の中)」です。大きくなると不正出血や流・早産の原因になります。
それ以外には、大きくなるまで症状が出にくい「漿膜下筋腫(子宮の外側)」、一番症状が出やすく発見が早い「粘膜下筋腫(子宮の内側)」があります。

子宮筋腫の検査・診断・治療・予防

【検査】

子宮筋腫の検査は、婦人科系のエコー検査です。
年1回程度、定期的に婦人科系のエコー検査を受けるのがおすすめです。
自治体や職場で受診する年1回の健康診断で子宮頸がん検診を受ける方もいらっしゃると思いますが、子宮頸がん検診では子宮筋腫について詳しく調べることはできません。

【診断】

婦人科診察とエコー検査で診断します。エコー検査では、筋腫の位置、大きさ、数などを調べることができます。
より正確な診断や手術等を考慮する場合は、MRI検査、血液検査、子宮鏡検査などを追加でおこないます。

【治療】

筋腫核出術、薬物療法、子宮全摘出術などがあり、治療にはメリットとデメリットがあります。
信頼できる医師とよく相談し納得する治療法をご自身で選択しましょう。

【予防】

子宮筋腫を予防することはできません。理由は子宮筋腫の発生原因がはっきりとわかっていないためです。
また、子宮筋腫は女性ホルモン「エストロゲン」の影響で発育すると言われています。
昔の女性とくらべて妊娠・出産回数が減り生涯の月経総数が増加している現代女性は、エストロゲンにさらされている期間が長くなります。
そのため子宮筋腫になるリスクが高まっています。

働く女性は症状を自覚してから受診するまでの期間が専業主婦よりも有意に延長

「子宮筋腫とは」で触れた月経痛、過多月経、過多月経に伴う貧血症状などの症状があれば早めに受診することをおすすめします。
宮内1)らの研究では、働く女性のほうが専業主婦よりも「症状を自覚してから受診するまでの期間」が有意に延長していたという報告があります。
働く女性の「自分は病気ではないかと疑い始めてから外来を受診するまでの期間」の中央値は4か月間、対して専業主婦は1か月間でした。
働く女性の26.0%(20/77人)が職場に配慮して受診をためらったと回答しています。
この研究では、働く女性のほうが職場への配慮から受診が遅くなる傾向を示しました。
働く女性の皆さんは受診をためらわず、気になる症状があればぜひ早めの受診をおすすめいたします。

<参考文献>
1) 宮内文久、大角尚子、香川秀之他「就労女性が子宮筋腫の手術を受ける時に職場から受ける影響」(「日本職業・災害医学学会誌」65号、276-282頁、2017年)
2) 公益社団法人日本産科婦人科学会「子宮筋腫とは」