車を運転する人が選んではいけない市販薬
車を使う仕事をされている方は、市販薬を買うときにも注意が必要なことをご存知でしょうか?
物流・運搬にかかわる仕事だけでなく、営業車を使う仕事を含めると、特に地方では仕事と車を切り離して考えるのは難しいでしょう。
車を使用する場合、注意しなければならないのは、運転中の事故です。
米国のウエストバージニア大学の研究により、薬によって眠気や注意力の低下が起こることで、車両衝突事故に関連性があると判明した薬15種類が発表されました。
その中には、ドラッグストアで手軽に購入できるものが含まれています。
特に注意が必要なのは、処方薬より市販薬
病院を受診して、薬局でお薬をもらう際にもらう紙が、「処方箋」です。
この「処方箋」には、お薬の説明や、お薬を飲む際の注意事項などが細かく記されています。
運転をする際に眠気を催したり注意力が落ちる薬などは、薬剤師が処方箋を渡す際に注意をしてくれるため、飲む方も注意して服用することができます。
しかし、受診をする暇がなかったり、休日などの理由で市販薬を服用する場合に、薬と一緒に箱に入っている「添付文書」をじっくり読む方は案外少ないのではないでしょうか。
車両衝突事故に関連性があった薬剤として、以下の薬が挙げられます。
■痛み止め(癌による痛み・慢性疼痛)
レペタン(座薬)・メサペイン・トラマール・ワントラム
■抗不安・抗緊張薬
セルシン・ホリゾン・ワイパックス
■睡眠薬
ロヒプノール・サイレース・ダルメート・ハルシオン・マイスリー・アモバン
■抗アレルギー薬
ザイザル
■咳止め
コデイン・ジヒドロコデイン
この中で、市販薬として販売されているのが、咳止めの作用を持つコデイン・ジヒドロコデインです。
新ブロン液エース、エスエスブロン錠、アネトン咳止めZ液などがこれらの成分を含みます。
咳止めの選び方
車を運転する方で、どうしても市販の咳止めを飲みたい方は、必ず購入時にパッケージを確認してください。
咳止めの成分は麻薬性鎮咳成分と、非麻薬性鎮咳成分の2つです。
麻薬性鎮咳成分は、上に記載のあるリン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインを示しています。
麻薬というと怖く感じるかもしれませんが、医療用ですので心配はいりません。
乾いた咳を鎮めるのに向いており、効果も強いのが特徴ですので、運転の必要がない場合は、高い咳止め効果が期待できます。
この麻薬性鎮咳成分は、中枢神経の興奮を鎮める作用をもつため、どうしても眠気や注意力の低下を招く副作用が出やすいお薬です。
副作用は人によって異なるため、100%症状が出るわけではないのですが、体調不良や寝不足の際は副作用が出やすいため、運転する人は避けなければならないお薬です。
車を運転する方は、パッケージに「コデイン」の文字のないものを選ぶようにしましょう。
薬を飲んだ時は運転をしない方が良いお薬の添付文書には、必ず『服用後、乗り物又は機械類の操作をしないでください。』と明記されています。
選び方がわからない場合は、薬局にいる薬剤師の方に相談したり、添付文書によく目を通すよう心がけてください。
最も危険な「12月」。その前にすべきことは?
保険会社の統計によると、業務中の車両事故が多いのは、【12月】の【金曜日】の【昼】というデータが出ているそうです。
12月は、師走の文字通り多忙な時期になりますが、同時に風邪も流行する時期です。
業務中の事故は、大切な社員の方の命を脅かすだけでなく、企業の社会的損失も大きくなります。
仕事で車を使う企業の方は、冬に向けて、今の時期から注意喚起に努める必要があります。
保健師 田中祥子
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