低血圧は受診が必要?

  健康管理, 病気・症状  


Q.
健康診断で「低血圧」といわれました。
医療機関を受診したほうがいいですか。

【解説】

A.
めまいや立ちくらみ、全身の倦怠感など、つらい自覚症状が続く場合には受診することがおすすめです。
他の疾患などの疑いがなく、日常生活に支障がなければ特に受診する必要ありません。

血圧に関して、高血圧は、収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上または収縮期血圧が90mmHg以上の場合をいいます。
一方で、低血圧には明確な基準はなく、一般的には収縮期血圧が100mmHg以下、収縮期血圧が60mmHg以下の場合をいいます。

低血圧の分類

低血圧はその原因により下記のように分類されます。

① 体質(本態性低血圧)

はっきりした原因がないもの。
若い女性に多く、やせ型で虚弱体質の人に多くみられます。

②急に立ち上がったことによる血圧の急激な低下(起立性低血圧)

急に立ち上がったり、起き上がることで血圧が急激に低下して、立ちくらみやめまい、失神などを起こすことがあります。
これは、自律神経がうまく働かないことが原因で、下半身に集まった血液が心臓に戻りにくくなり、送り出す力が減少するために起こります。
健康な人でも栄養状態が悪いときや疲れているときなどに起こることがあります。

③疾患(症候性低血圧)

疾患や薬の副作用、けがが原因で低血圧になるものです。
主な疾患には、心筋梗塞や不整脈などの心臓の疾患、肺塞栓などの肺の疾患、甲状腺機能低下症(橋本病)やアジソン病などのホルモンの疾患が挙げられます。
またけがなどで大量に出血した場合にも起こります。

一般的に低血圧と言うときには、①の体質による本態性低血圧を指します。

また、「低血圧は遺伝する」といわれますが、遺伝するというよりは、①の体質による低血圧になりやすい体質が遺伝するといったほうが正しいでしょう。

体質改善で血圧改善!

①の体質による低血圧の場合には日常生活の中で改善することができます。

・ 規則正しい生活

早寝早起きを心がけると、体内時計や自律神経の働きが良くなり、血圧のコントロールをしやすくなります。
低血圧の人は朝方体調が悪いことが多いですが、夜早く寝て、朝は太陽の光を浴びるようにしましょう。
生活リズムが崩れてしまうため、なるべく休日も同じ時間に起きることがおすすめですが、+2時間までの間には起きるようにしましょう。

・ バランスの良い食事をしっかりととる

朝が辛く、朝食を抜いてしまうことも多いかと思いますが、エネルギーが不足していると低血圧の症状が出やすくなります。
1日3食を、タンパク質、ミネラル、ビタミンなどバランスよくしっかりとるよう心がけましょう。

・ 水分をしっかりとる

脱水状態では体内の循環血液量が減り、血圧が低下します。
十分に水分を取るようにしましょう。

・ 適度な運動を心がける

運動をすることで、血液の循環が良くなります。
血液は重力の働きで下半身にたまりやすくなりますが、ウォーキングなどで下半身を鍛えると、効率よく血液を心臓に戻すことができるため、低血圧を改善することができます。
また、適度に運動をすることで、自律神経の働きを高めて、血圧のコントロールの働きが高まります。

・ 飲酒時は低血圧の症状に注意する

お酒を飲むと、長期的には高血圧になりますが、血液の中にアルコールがある間は、血管が拡張しているため、血圧は低下しています。
低血圧の人はさらに血圧が下がっているので、注意が必要です。

低血圧を改善する方法は、規則正しい生活など、他の生活習慣病を予防することもできるため、できることから生活に取り入れていきましょう。

女性の場合はホルモンの影響で変化も

加齢とともに血管の弾力性が低下することから、血圧は上昇傾向になります。

また、女性の場合は閉経後、女性ホルモンの分泌が減ることにより、脂質や血糖、血圧が上がりやすくなります。
特に、妊娠時に高血圧になった女性は、その後高血圧になりやすいこともわかっています。
低血圧の人も、健診結果を確認し、自身の健康状態を確認するようにしてください。


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保健師 柏崎沙緒梨

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