注意しよう!大人になってからのおたふく風邪
【解説】
A. 大人がおたふく風邪になると、唾液腺の腫れや発熱などの症状が子供の時になるよりもひどくなりやすいといわれています。これは大人と子供を比べると大人の方が免疫力が強く、ウイルスに対して強く抵抗するためです。
なぜ「おたふく風邪」というの?
おたふく風邪は正式には「流行性耳下腺炎」といいます。
症状としては耳の下や場合によっては顎の下が炎症を起こして発熱を伴い、腫れていきます。
耳の下が腫れることで「おたふくさん」のように見える事からおたふく風邪と呼ばれるようになったそうです。
おたふく風邪は、保育園や幼稚園などで集団生活を始めたばかりの子供に多くみられます。
また、一度、感染することで生涯の免疫が獲得できます。
6歳までの発症が半数以上を占めると報告されていますが、なかには成人になってから初めておたふく風邪を発症する方もいます。
主な合併症
髄膜炎、脳炎、膵炎、難聴、精巣炎、卵巣炎になる可能性もあります。
髄膜炎…脳のまわりにある髄膜に炎症が起こり、嘔吐、頭痛などが表れます。
脳炎…脳そのものが炎症を受けるため意識消失や痙攣が起こることがあります。
膵炎…膵臓に炎症が起こることにより腹痛・吐き気・嘔吐がみられます。
難聴…めまい・耳鳴り・嘔吐・ふらつきなどの症状と共に耳が聞こえにくくなります。
精巣炎(睾丸炎)…大人の男性がおたふく風邪を発症してしまった場合、約20~30%の割合で精巣炎(睾丸炎)にかかるといわれています。この精巣炎(睾丸炎)から生殖能力の障害に発展するのは、約10%程度であるとされています。
卵巣炎…注意しなければならないのは、男性だけでなく、女性がおたふく風邪に感染した場合、約7%が卵巣炎を合併するケースがあるということです。特に、妊娠中におたふく風邪を発症した場合には胎児に影響を及ぼすおそれがあります。
予防
おたふく風邪の予防として最も効果的なのは、ムンプスウイルスのワクチン接種です。
まだ、おたふく風邪に罹っておらず、ワクチンも打っていないようでしたら、大人でもワクチン接種することができますので病院に相談してみてください。

保健師 佐藤十和子

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