治療法は?

摂食障害の場合、本人は治療によって体重が増えることを極端に恐れるので、なかなか治療に納得してくれません。学校や家族・友人が専門医と力をあわせて、本人がきちんと治療を続けられるように支えていくことが大切です。
標準的な治療法法としては以下のものが挙げられ、その中から適した方法を組み合わせて治療を行っていきます。

  • 薬物療法

    治療補助薬

    あくまでも補助的なものですが、身体症状にあわせた薬が処方されることがあります。
    ホルモン剤:生理が3年以上きていない場合、ホルモン補充治療を受ける必要があります。

    ビタミン剤:拒食の場合の栄養を補うために処方されます。

    カリウム剤:低カリウム血症がある場合に処方されます。

    胃腸薬:過食嘔吐がひどく、胃炎を起こしている場合に処方されます。


  • 精神療法

    対人関係療法

    本来はうつ病の患者さん向けに開発されたものですが、様々な心の病に応用されている治療法で、現在の対人関係に焦点を当てるものです。
    対人関係と言っても、幅広い人間関係についてを扱うわけではなく、親や家族、配偶者、恋人など、その人にとって非常に身近で、かつ重要な人との関係にしぼって行われます。
    現在のコミュニケーションの方法を振りかえり、改善し、より良い対人関係をつくっていくことによって、ストレスを減らし、結果として食行動や痩せにしがみつく気持ちも改善させていこうとするものです。

     

    認知行動療法

    認知(ものの受け取り方や考え方)に働きかけて、そのバランスをとり、ストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていく治療法です。
    悲観的になりすぎず、かといって楽観的にもなりすぎず、地に足のついた現実的でしなやかな考え方をし、問題に対処していけるように手助けをします。

    定期的な面接と、ホームワークを日常生活の中で行うことが効果をあげるために不可欠です。