摂食障害には、食事をほとんど摂らなくなってしまう神経性無食欲症(拒食症)と極端に大量に食べてしまう神経性大食症(過食症)があります。
拒食症では、食事量が減る、低カロリーのものしか食べないことから体重が極端に減ったり、痩せて月経がなくなったりといった症状があります。
過食症では、一旦食べ始めるとやめられない、むちゃ食いしては吐く、食べ過ぎたことを後悔して憂うつになるなどの症状がみられます。
概要
拒食症は10代で発症する人が多く、過食症は20代に多い傾向がありますが、どちらのタイプも90%が女性です。
ただし、最近は男性の摂食障害も増えてきているという指摘もあります。
発症の背景には体重や容姿への思い込みといった心理的背景の他に、「痩せていることが美しい」という社会的価値観も影響しています。拒食と過食は正反対の症状に見えますが、拒食から過食、過食から拒食に変わることもよくあります。
一般に標準体重の60%以下に痩せが進むと、低栄養による腎不全や低血糖、電解質異常による不整脈、結核などの感染症等、重い合併症を起こしやすくなるといわれています。
また、アルコールや薬物への依存、抑うつ、怒りっぽいなどの精神症状を合併しやすく、万引きや性的に奔放になる、自傷行為や自殺を図るといった衝動的な行動も増加します。