遅い時間の夕食でも健康な食生活を!
【解説】
A.
栄養バランスや、その他の健康の観点から、1日3食をお勧めします。
しかし、食べる時間帯や量などを考え食事をとる必要があります。
◇1日3食が健康的な理由
1日1食、1日2食、1日4食など、「健康的な食事のとり方」といわれている方法はたくさんあります。
そしてそれぞれに対して長短含めて、さまざま々な意見があります。
このうち、1日3食の大きなメリットとしては、
① 1食に大きな負担がかからず、栄養バランスを考えて摂取できる。
② 3食に分けることで、脳の活動エネルギーである糖が補える。
同志社女子大学の小切間美保教授によると、脳活動の栄養源であるグリコーゲンは1日当たり約120g必要であり、1回の食事で作られるグリコーゲンは最大60gかつ5~6時間しか持たないため、1日2食では不足する可能性があるそうです。
③ 1日3食を規則的にとることは“体内時計”を整える。
1日3食は、基本的に朝食・昼食・夕食となっています。
人は1日のリズムを刻む体内時計が備わっており、そのリズムで身体のホルモンなど働き調節しております。
1日3食規則正しくとることで、ホルモンバランスが調整でき、それが良質な睡眠や肥満予防、血圧の調整を可能にし、ひいては健康増進につながります。
しかし、一日3食摂ることが必ず“健康”につながるとはいえません。
◇1日3食取る際は食べる時間と食事内容に注意!
1日3食でも不健康につながる場合があります。
注意すべきは、食事時間と食事内容です。
人間には“体内時計”が備わっており、時間によって同じ量や食べ物を食べても、エネルギーとして消費されるのか、脂肪として蓄えられてしまうのか変わってきます。
体内時計を調節する時計遺伝子の1つであるBMAL1遺伝子は脂肪を蓄積し分解を抑える作用を持っており、その働きが高まる時間は午後10時から午前2時頃といわれています。
その時間帯に食事をとると、脂肪として蓄積されやすくなってしまうのです。
以上のことから、
午前中は人間の活動する時間であり、身体に脂肪を溜めず、摂取したものをエネルギーとして消費します。
もしも欠食、あるいはエネルギーの少ない食事をとった場合、脳の活性や代謝へ影響を及ぼします。
反対に、夜は身体を休める時間帯であるため、カロリーの多い食事をとってしまうとエネルギー消費できずに脂肪に代わります。
農林水産省が公表している「食事バランスガイド」では、1日に必要な栄養素、食事量を一目でわかるようになっています
1日に必要な食事量を把握し、食べる時間考慮することで、摂取するもの、量を調整することが大切です。
◇では夕食は何時に摂るべきか
就寝3時間前に食事は済ませましょう。
食事を摂取したあと3時間ほどは、脳が活発に働くため、その間、睡眠に移行しづらく睡眠の時間に影響を及ぼします。
また、BMAL1遺伝子の働きが高まる時間は午後10時から午前2時頃であることを踏まえると、遅くても午後9時~10時前には食事を済ませたほうが吉。
仕事が長引き、帰宅が遅くなる場合は、仕事中であっても規則的な時間に食事をとりましょう。
また、たとえば職場で早めに食事を摂取し、帰宅後の遅い時間帯におなかすいた場合は、低カロリーのもや消化によいもの(食物繊維や脂肪の少ないもの:例えば、おかゆやうどんなど)を食べるなど1日の栄養バランスを考慮しながら食事内容を選ぶことをお勧めします。
<参考>
・「食事はなぜ1日3回? 食のリズムと健康の深い関係」(「日本経済新聞」2013年5月21日朝刊)
・「「食事バランスガイド」について」(農林水産省)
保健師 金城志織
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