まず、原因となっている心理・社会的ストレスを軽減することが第一です。
環境を調整し、適応しやすく整えることや、場合によってはしばらく休職、休学して休養し、心的エネルギーを回復することが必要です。
また、心理的葛藤に関してカウンセリングを受け、混乱した情緒面の整理をすることや、社会適応へ向けての心理的援助を得ることも大切です。そして、それぞれの主要な症状に対して薬物療法が必要な場合もあります。
休養・環境調整
症状が著しかったり、現状でどうしても適応ができなかったりするときは、ストレスを回避させることは有効です。
ストレスの軽減は、適度なものであれば問題ありませんが、極端にストレスを軽減させる(職場における休職など)場合には注意が必要です。
多くの場合、ストレスは持続性のものであり、回避し続けることはできないため、「いずれはストレスに直面する必要があること」「ストレスへの対処方法を体得する必要があること」を説明した上で行うことが重要となります。
また、周囲の人も相談にのり、共感や助言を行なうことによって一緒にストレスへ対処していくことが早期回復への近道となります。
カウンセリング
受容、共感的態度で話しを聞き、ストレスに対してなぜ敏感に反応して心身共にバランスを崩してしまったのか、その背景について考えいきます。
現在抱えている問題と症状自体に焦点を当てて協同的に解決方法を見出していく問題解決療法など、アプローチは様々ありますが、いずれもカウンセリングの担当者と本人が協同して行っていくものであり、本人が主体的に取り組むことが大切です。
薬物療法
不安や不眠などに対しては抗不安薬、うつ状態に対して抗うつ薬を使うことがあります。
ただし適応障害の薬物療法は「症状に対して薬を使う」という対症療法になるため、根本的な治療ではありません。
薬によって心身の症状を緩和させることは、ストレスへの対処方法の体得を促す上でのサポートとして有効な方法とされ、補助的に使われることが多くあります。