「がんの王様」すい臓がんについて知ろう

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増え続けるすい臓がん

すい臓がんは、がんの中でも「怖い」がんとして知られています。

すい臓がんが原因で亡くなられた著名人としては、元横綱の千代の富士関、米アップル社のスティーブ・ジョブズ氏、歌舞伎役者の坂東三津五郎さん、ジャーナリストの竹田圭吾さんなどがいらっしゃいます。

ニュースでもよく取り上げられていたので、すい臓がん=治りにくい・見つけにくいという知識をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

タイトルの「がんの王様」という呼ばれ方も、その発見のしづらさや治療の難しさ、死亡率の高さに由来しています。

特に50歳‐70歳の男性に多いがんですが、生活習慣病の増加やストレスなどが原因で、日本でも罹患数が増え続けています。

今回は、すい臓がんが「怖いがん」と言われる理由や、早期発見のためにできることは何か?をお伝えします。

すい臓がんの症状とは? 早期発見できる?

すい臓がんは、他のがんと同様、自覚症状から早期発見されることが難しい病気です。

すい臓がんの患者さんに多い自覚症状としては、以下のようなものがあります。

  1. 胃のあたりや背中が重苦しい(腰痛と感じる場合もあります)
  2. 何となくおなかの調子がよくない
  3. 食欲がない・体重が減った

(国立がん研究センター「がん情報ページ」より)

また、糖尿病を患っていた患者さんが、急に血糖コントロールが上手くいかなくなった場合、背後にすい臓がんが隠れているケースもあります。

かかる確率は低いが、死亡率は高い

すい臓がんが怖いと言われる最大の理由は、死亡率が高いことです。

がんの予後を語る指標として用いられる「5年生存率」は、7.9%。

前立腺がん97%、大腸がん72%、胃がん65%と比較しても、際立って低くなっています。

また、早期(Ⅰ期)で発見されたとしても、その5年生存率は50%を下回ります。これは、すい臓がんが非常に転移・再発しやすいがんであることが関係しています。

すい臓がんの生存率を3倍に高めた「尾道方式」

このように、死亡率が高く「がんの王様」として恐れられているすい臓がんですが、このがんの生存率を3倍に高めたプロジェクトが注目を集めています。

これは、JA尾道総合病院と、地域の開業医が連携したプロジェクトです。

具体的には、「糖尿病」「肥満」「喫煙」「家族に膵臓がん患者がいる」という項目を満たした患者が開業医を受診した場合、積極的に腹部に超音波を当てる検査を実施し、すい臓がんが疑われるようであれば、総合病院でさらに詳しい検査(超音波内視鏡検査)を実施するという流れになっています。

このプロジェクトにより、同病院でのすい臓がんの5年生存率は、従来の3倍に上昇するという成果を挙げています。

今後、全国的に同様のプロジェクトが広がることが期待されています。

人間ドックのオプション検査の活用も

人間ドックの検査項目のうち、すい臓がんに関連する項目は次の3つです。

  1. 腹部の超音波検査
  2. 腹部のMRI検査
  3. 腫瘍マーカー(血液検査)

すい臓がんに罹る割合は40歳以降に高まるため、以下の項目に当てはまる方は、定期健診のオプション項目に上記を組み入れるのも、早期発見のために有効です。

  1. 肥満傾向である
  2. 糖尿病である
  3. 喫煙歴がある慢性膵炎である
  4. アルコールを毎日摂取する
  5. 血縁者に膵臓がんを患った方がいる
  6. 膵嚢胞性病変を指摘された事がある

(慶應義塾大学病院「予防医療センター」HPより)


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保健師 中村眞弓

保健師 中村眞弓

企業での健康相談や産業保健の経験を生かし、「じっくり聴く・しっかり考える」保健師を目指しています。 社員の皆様・人事の皆様と一緒になって企業の健康を支えていけるよう頑張ります。

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