知っておきたい女性特有の脳卒中サイン
脳卒中というと、老人がなるもの、男性がなるもの・・・と思ってはいないだろうか。
確かに、脳卒中が起こりやすい年齢は年代と共に上昇する。特に、40代から50代になると、発症する率は急激に高まり、罹患する人数も、女性より男性の方が多い。
しかし、最近では30代、40代、50代前半の有名な女優や女性タレントが脳卒中(脳梗塞)を起こしたことが度々ニュースで報じられている。
脳卒中を引き起こす女性特有の原因や、症状があるのだが、実際はあまり知られていないのが現状だ。
女性が脳卒中になる原因とは
女性に特有の原因としては、妊娠や、低用量ピルの使用、更年期等における女性ホルモン補充療法がある。
妊産婦の死亡原因の第2位は頭蓋内出血であり、出産前後の体の大きな変化は脳卒中の大きな要因だ。
更に、避妊用ピルや女性ホルモン剤の使用も、脳卒中のリスクを上げる。そのため、治療中は、医師の定期的な診察を受けることが必須だ。
避妊用ピルに関しては、インターネットで個人輸入が可能であるため、自己判断で使用するケースもあるそうだが、脳卒中のリスクを考えればやめた方がよい。
女性特有の脳卒中の症状
それでは、女性特有の脳卒中の症状とはなんなのだろうか。
特徴的なものとして以下の4つがある。
・胸の痛みをともなうしゃっくり(※なかなか止まらない)
・めまい(グルグルまわるようなめまいや、フラフラ感、グラグラ感)
・頭痛
・体の半分だけ感じる強いしびれ
実は、この中の症状が1つだけであったとしても、軽い脳梗塞を起こしている可能性があるのだ。
脳卒中というと、激しい頭痛や急にバタンと倒れるイメージがあるかもしれないが、実際は軽い症状から始まることも多いので、十分に注意が必要だ。
異常を感じたら早期の受診を
例えばしゃっくりなら「胃の疲れ」、めまいなら「疲れ」「寝不足」と自己判断で受診を怠りやすい。
特に女性の場合は、家事や育児に加え、家族の体調管理を優先させたために受診が遅れるケースが多いため、異常を感じたら、なるべく早い段階で受診をするよう心がけたい。
受診先は内科でも良いが、「何かおかしい」と感じたら、脳神経外科のある規模が大きめの病院を受診することも大切だ。症状によっては、すぐに精密検査を受けることができる。
一旦症状があらわれ、消えた場合でも、詰まりかけた脳の血管がすぐに再開通しただけということもある。
脳卒中の症状を自分も家族も知っておき、いざというときに、すぐに対応できるようにしておくことが大切だ。
保健師 中村眞弓
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