症状は?

「強迫観念」と「強迫行為」の2つの特徴的な症状がみられます。
強迫観念とは、自分でも「バカバカしい」「気にしなくていい」などとわかっていながら、意思に反して浮かんできたり、頭から離れなくなってしまう考えのことで、強い苦痛や不安をもたらします。
強迫行為とは、強迫観念が取り払えず、その結果として何らかの行為を繰り返し行ってしまうことです。
強迫行為には、何時間も同じ行動を繰り返す「反復行動」と、行為を完全に遂行するために繰り返し確認する「確認行動」に大きく分けられます。



詳細

汚染/洗浄

  • 汚れに対する不安によって、過剰な洗浄を行います。
    例えば…トイレに行った後、自分が汚れたような気がして、 いくら手を洗っても清潔になったという実感が持てず、延々と 手を洗い続ける。  外からの汚れを持ち込まないように、外出先から戻るとまず シャワーを浴びて、服を全て着替えないと気が済まない。
    外出の準備に何時間もかかったり、帰宅後に洗浄することがとても大変なので、外へ出ることが辛くなり、引きこもりになってしまうことがあります。

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加害/自分への危害

  • ちょっとした不注意から自分に危害が及ぶことを心配したり、他人に 悪いことが起きてしまうという不安から、過剰な警戒をします。
    例えば…刃物がそばにあるだけで、実際に触れていないのに怪我を するのではないか、人を傷つけてしまうのではないか心配する。
    車の運転中にちょっと違和感を感じただけで、人や動物を 轢いたのではないかと不安になったり、駅のホームですれ違った だけで、その人を線路へ突き落としてしまうのではないかと 心配する。

    暴力的な衝動があって困るのではなく、そのようなことがもしも起きてしまったら どうしようという不安から、必要以上に警戒してしまいます。

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確認

  • 様々な強迫観念によって引き起こされますが、いずれもあっさり点検しただけでは 不十分な気がして、何度も繰り返したり、綿密に確認をします。
    外出するとき、玄関に鍵をかけたかどうか不安になり、何度も 確認する。  
    電気製品を使ったあとコンセントを抜いたか、ガスの元栓を 閉め忘れていないか気になり、何度も確認する。 きちんと洗えたか、少しでも汚れが残っていないか心配になり 何度も洗ったり、長時間洗い続けます。

    外出途中で鍵のことが気になり、わざわざ家まで確認のために戻ることを繰り返し、 待ち合わせなどの約束を守ることが難しくなったり、汚れが気になり何回も何時間も手を 洗うため、皮膚が荒れてぼろぼろになってしまったりします。

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精神運動性の障害(強い焦燥感・運動の制止)

  • ・強迫観念をもたらすものや場面を避ける。
    ・ものの配置など自分の中のルールに厳密に当てはめようとする。  
    ・何か行動する際、そのやり方が適切かどうか延々と考え続ける。  
    ・回数や個数を様々な場面で数える。  
    ・特定の数字をどのような場面でも回避しようとする。

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