症状は?

最初の症状は身体症状と共に強い恐怖や不安感を伴う「パニック発作」です。
発作自体は、多くの場合20分~1時間以内で収まりますが、発作を繰り返すうちに、また発作を起こしたらどうしようという発作自体に対する「予期不安」が生まれます。   
予期不安は、逃げ場のないような場所での発作や、その状況を大勢の人に見られることの恥ずかしさといった不安や恐怖を生み、次第に人込みや過去に発作を経験した場所を避ける「広場恐怖(外出恐怖)」となります。
これが酷くなると、付き添いなしでは外出できなくなったり、ほとんど家に引きこもってしまうような場合もあります。

この「パニック発作」、「予期不安」、「広場恐怖」はパニック障害の3大症状といわれる特徴的な症状であり、悪化すると人前に出ることを嫌って家に閉じこもるようになり、正常な社会生活が維持できなくなってしまいます。
また、うつ病を併発することも稀ではありません。


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パニック発作

  • パニック発作とは、激しい恐怖感や不安感とともに次のような症状(のうち4つ以上)が突然出現し、10分以内にピークに達する状態です。
    心臓がドキドキする/冷や汗をかく/身体や手足のふるえ/呼吸が速くなる(息苦しさ)/息がつまる/胸の痛み/吐き気・腹部のいやな感じ/めまいやふらつき/自分が自分でない感じ(非現実感)/常軌を逸する・狂うという心配/死ぬのではないかという恐怖感/シビレやうずき感/さむけ(またはほてり)
    多くの場合、発作は1回だけでなく、その後も繰り返し起こります。
    中心症状は激しい不安で、身体の異常を感じて引き起こされる不安の他に、体の底からわき起こってくる「言いようがない」「追いかけられる」ような理由のない不安が特徴です。

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予期不安

  • 予期不安とは、パニック発作を一度経験した人が感じるもので、また恐ろしい発作が襲ってくるのではないかという強い不安です。
    人によっては、自分でコントロールできない場所(例えば長時間降りられない密室である飛行機や電車、高速道路の車内など)で起こる場合もあります。乗る前から心配になり、悶々としているうちに発作に襲われるということもあります。

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広場恐怖(外出恐怖)

  • 広場恐怖とは、パニック発作が起きたとき、すぐに逃げ出すことが困難であったり、助けを求めることが出来ないと考えられる状況にいることに対する不安のことで、広いところが怖いわけではありません。
    発作が起きたときにひとりでいるという事態に恐怖を感じるため、そうなる可能性のある場所や状況(電車やバスなどの交通機関、トンネルやエレベーター、地下道、窓のない部屋などの狭い閉鎖空間、屋上やテレビ塔といった高所など)を意識的に避けるようになります。
    そのため、外出することが減り、日常生活がスムーズに行かなくなることも多く、経過が慢性化すると、うつ病などに発展することがあります。