他の神経症性障害と同じように、薬物療法と精神療法が行われます。
精神療法は主に認知行動療法が選択され、その中でも、不安や恐怖の対象となる場面にあえて立ち向かい、これまでその不安や恐怖を和らげるためにしてきた強迫行為をあえてしない暴露反応妨害法が用いられます。
この療法を続けていくことによって、強迫観念が起こりにくくなったり、強迫行為をしなくても不安にならなくなっていきます。
ただし、実際の治療においては、いきなり難しいことに挑戦するのではなく、できそうなことから難しいことへと徐々に段階的に挑戦していきます。
薬物療法
薬物療法では、三環系抗うつ薬もしくはSSRIという抗うつ薬が処方されますが、薬のみで治療してもうまくいかないことも少なくないようです。
また、少量では効果が出にくく、ある程度の量が必要との報告もあり、薬物療法と精神療法を併用することが最も効果的といわれています。
不安が強いときには、不安レベルを下げる目的で抗不安薬が使われることがあります。
使用する場面に合わせて、作用時間の長さや作用の強さを考えて処方されます。
一般的な副作用は鎮静作用と筋弛緩作用で、運転操作への支障があげられます。
服用後の運転は避けてください。
精神療法
認知(ものの受け取り方や考え方)に働きかけて、そのバランスをとり、ストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていく治療法です。
悲観的になりすぎず、かといって楽観的にもなりすぎず、地に足のついた現実的でしなやかな考え方をし、問題に対処していけるように手助けをします。
不安が生まれる状況にあえて飛び込んで、刺激に身を置く曝露療法(エクスポージャー)を行うこともあります。
一種の自己催眠法で、「体から心へ」働きかけて、体と心の緊張を低下させる治療法です。
「準備と姿勢」、「6つの公式」、「消去動作」といった実施の手順が決められています。
書店でビデオや本を購入することもできますが、できれば専門家の指導の元で正しい訓練法を習得しましょう。
慣れてくれば通勤途中の車内や仕事の合間でもできるようになります。